きんのくびかざり
金のくびかざり

冒頭文

一 よし子さんのお家も、あすは、クリスマスです。 毛なみの、つやつやした、まっ黒いネコは、夜どおし、煙突のてっぺんにすわって、サンタクローズのおじいさんが、このお家をまちがいなく見つけてくれればいいがと、黄色い目をひからせて、見つめていました。よし子さんは今夜は、きっと、おじいさんが、あたしのほしくてほしくてたまらない、小さな金のくびかざりを持って来てくれるにちがいないと言って、お

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1928(昭和3)年12月号

底本

  • 赤い鳥傑作集
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1955(昭和30)年6月25日、1974(昭和49)年9月10日29刷改版