邪宗縁起 一 十四の乙女(おとめ)久田姫は古い物語を読んでいる。 (……そは許婚(いいなずけ)ある若き女子(おなご)のいとも恐ろしき罪なりけり……)「姫やどうぞ読まないでおくれ。妾(わたし)聞きたくはないのだよ」「いいえお姉様お聞き遊ばせよ。これからが面白いのでございますもの。——許婚のある佐久良姫(さくらひめ)がその許婚を恐ろしいとも思わず恋しい恋しい情男(おとこ)のもとへ忍んで