なしのみ
梨の実

冒頭文

私がまだ六(むっ)つか七(なな)つの時分でした。 或(ある)日、近所の天神(てんじん)さまにお祭があるので、私は乳母(ばあや)をせびって、一緒にそこへ連れて行ってもらいました。 天神様の境内は大層(たいそう)な人出でした。飴屋(あめや)が出ています。つぼ焼屋が出ています。切傷の直(す)ぐ癒(なお)る膏薬(こうやく)を売っている店があります。見世物(みせもの)には猿芝居(さるしば

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 赤い鳥傑作集
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1955(昭和30)年6月25日、1954(昭和29)年9月10日29版改版