『ろうどうせんせん』しょうせつせんごひょう
『労働戦線』小説選後評

冒頭文

四十篇の原稿のなかから新日本文学会の書記局で予選された二十篇をよんだ。そのどれもが、それぞれかかれた環境においてのねうちをもっていて、等級をつけるのがむずかしかった。同時にそのことはとびぬけた作品はなかったことも意味し結局入選は紙上で知らせたようになった。 「雛菊寮雑記」(代々木暁夫)——若い婦人車掌だけの寮雛菊寮に暮す佳子、美代、文江、喜久枝たちが笠井重吉という学校出の運転手をかこむ女車掌

文字遣い

新字新仮名

初出

「労働戦線」産別会議機関紙、1948(昭和23)年10月1日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日