せいきの「ふんべつ」
世紀の「分別」

冒頭文

日本の言葉に、大人気ない、という表現がある。誰の目から見てもあんまり愚劣だと思われることがらや、衆目が、そこに誹謗を見とおすような言動に対して、まともにそれをとりあげたり、理非を正したりすることは、日本の表現では大人気ない態度とされてきた。そういう場合には、あえて問題にしないで、笑ってすぎる態度が知性の聰明をあらわすポーズとされてきた。 この大人気ない、いきりたちを自分に対して嫌い、きま

文字遣い

新字新仮名

初出

「改造」1948(昭和23)年6月

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日