もうじんどくしょう
盲人独笑

冒頭文

よる。まつのこのまより月さやかにみゆると。ひとの申さるるをききてよめる。はなさきて。ちりにしあとの。このまより すすしくにほふ。つきのかけかなまだ。ほかにも。あるなれど。ままにしておけ。                 ——葛原勾当日記——    はしかき 葛原勾当(こうとう)日記を、私に知らせてくれた人は、劇作家伊馬鵜平君である。堂々七百頁ちかくの大冊である。大正四年に、勾当の正孫、葛原𦱳(し

文字遣い

新字新仮名

初出

「新風」1940(昭和15)年7月

底本

  • 太宰治全集3
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1988(昭和63)年10月25日