ふっかつ
復活

冒頭文

帝劇で復活を観た。一九三〇年にモスクワ芸術座で上演された方法で演出された。 つよく印象にのこったこと。 カチューシャに扮した山口淑子は熱演している。各場面ごとに、その場面の範囲内で。このことは、女優としての山口淑子に、カチューシャの人間的成長の全体が、自分によくのみこめた一貫性をもってうちこまれていないということを語っている。 ネフリュードフに悪態をつくところ、牢獄で

文字遣い

新字新仮名

初出

「女靴の跡」高島屋出版部、1948(昭和23)年2月

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日