せんきゅうひゃくよんじゅうろくねんのぶんだん しんにほんぶんがくかいにおけるいっぱんほうこく
一九四六年の文壇 新日本文学会における一般報告

冒頭文

序 昨年十月から今年の十月まで一年が経ちました。その間にはずいぶんいろいろのことがございました。昨年の八月以後、私どもが新しい人間性の確立と民主的な社会生活の確立、それに応じた文学の方向の確立とを求めて動きだした当時から今日までの経過の中には、はじめのころ私どもの、単純かもしれなかったけれども初々しい希望に満ちた心持が、さまざまの関係のうちに変化をうけてきてもいるわけです。一般情勢の変化とい

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本評論」1947(昭和22)年5・6月合併号

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日