せいかつにおいてのとういつ   |  
| 生活においての統一 | 
冒頭文
日本の文学と文学者とは、最近数年の間に極めて容赦のない過程で、政治というものについて、目をさまされて来た。 大体日本文学は、その歴史の発端から、風流を文学の芸術性の骨子として、社会生活から或る程度離脱した位置に自身をおいた知性と感性との表現としての伝統をもって来た。日本文学は主情的な文学の特質をもっていたといわれている。その原因には少くとも芸術に向う素質をもった人間的心情にとって、数百年
文字遣い
 新字新仮名 
 初出
 「文学時標」創刊号、1946(昭和21)年1月1日 
 底本
- 宮本百合子全集 第十三巻
 - 新日本出版社
 - 1979(昭和54)年11月20日