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昇降場

冒頭文

上 仙台の師団に居らしッた西田若子さんの御兄(おあに)いさんが、今度戦地へ行らッしゃるので、新宿の停車場を御通過(おとお)りなさるから、私も若子さんと御同伴(ごいっしょ)に御見送(みおくり)に行って見ました。 寒い寒い朝、耳朶が千断(ちぎ)れそうで、靴の裏が路上(じべた)に凍着くのでした。此寒い寒い朝だのに、停車場はもう一杯の人でした。こんな多勢の人達が悉皆(みんな)出征なさる

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本プロレタリア文学大系(序)
  • 三一書房
  • 1955(昭和30)年3月31日