ぶんがくはつねにぐたいてき 「こくみんぶんがく」にのぞむ
文学は常に具体的 「国民文学」に望む

冒頭文

生活的な真実というもののあらわれは、非常に多種多様だと思う。 国民文学が単一に民族伝説(サガ)だけを自身の内容とするのでないことは明らかなわけだから、生活が年々に経てゆく現実の諸相から諸種の文学が生み出されて、そのものの文学としての真実で、国民の所有する文学の宝庫をゆたかにして行って自然だろうと思える。 文学というものの興味つきない胎内では、民族がある時期に遭遇している特殊な歴

文字遣い

新字新仮名

初出

「報知新聞」1941(昭和16)年4月24日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十二巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年4月20日