「けっこんのせいたい」 |
| 「結婚の生態」 |
冒頭文
石川達三氏の「結婚の生態」という小説について、これまで文学作品として正面からとりあげた書評は見当らなかった。それにもかかわらず、この本は大変広汎に読まれている本の一つである。大変ひろく読まれながら、その読後の感想というものが読者の側からはっきりと反映して来ないまま、読者は作家と馴れあって一種の流行の空気を作者のためにかもし出す作用を行っている作品である。 「結婚の生態」が、まともな文学作品として
文字遣い
新字新仮名
初出
不詳
底本
- 宮本百合子全集 第十二巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年4月20日