おうそんせんせいげんこうろく
黄村先生言行録

冒頭文

(はじめに、黄村先生が山椒魚(さんしょううお)に凝(こ)って大損をした話をお知らせしましょう。逸事の多い人ですから、これからも時々、こうして御紹介したいと思います。三つ、四つと紹介をしているうちに、読者にも、黄村先生の人格の全貌(ぜんぼう)が自然とおわかりになるだろうと思われますから、先生に就いての抽象的な解説は、いまは避けたいと思います。) 黄村先生が、山椒魚なんて変なものに凝りはじめた事

文字遣い

新字新仮名

初出

「文学界」1943(昭和18)年1月

底本

  • 太宰治全集5
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1989(昭和64)年1月31日