しょうせつのよみどころ |
小説の読みどころ |
冒頭文
同志小林多喜二がボルシェヴィキの作家として実に偉かったところは、うむことないその前進性である。一つ一つの作品が必ず、それぞれに階級闘争の発展してゆく段階を何かの形で反映している。 われわれプロレタリア文学の仕事に従う者が、同志小林の業績によって深い鞭撻をうけるのは正にこの点である。彼が進み行く労農大衆の先頭に身を挺して立ち、その闘争の一部として小説を書きつづけて行った、この覚悟が同志小林
文字遣い
新字新仮名
初出
「文学新聞」1933(昭和8)年6月16日号
底本
- 宮本百合子全集 第十巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年12月20日