ブルジョアさっかのファッショかについて
ブルジョア作家のファッショ化に就て

冒頭文

一 正月の『中央公論』は、唯一篇も正しい立場に立つプロレタリア作家の小説を載せなかった。『中央公論』以外のブルジョア・ジャーナリズムも多くプロレタリア作家をボイコットした。然し、それだけで現実の状勢を判断することは出来ない。何故なら同じ正月号の『プロレタリア文学』(日本プロレタリア作家同盟機関誌)が店頭に出ると間もなく六千部か七千部を売り切った。 これは『中央公論』が、たった一つの

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」1932(昭和7)年1月28~30日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年12月20日