こういうげっぴょうがほしい
こういう月評が欲しい

冒頭文

毎月いくつかのプロレタリア小説、ブルジョア小説が、いろいろな雑誌に発表される。 つづいて、新聞その他に文芸批評が現れる。この頃のブルジョア・ジャーナリズムは、例えば『朝日新聞』が今度やっていたように、文学についての専門家以外の人に、作品批評を書かせ、顔ぶれの珍しさで、新鮮さを発揮しようとしている。 河野密氏の例によれば、人選はある程度まで当ったろう。とにかく読者は、オヤ、この人

文字遣い

新字新仮名

初出

「帝国大学新聞」1931(昭和6)年7月6日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年12月20日