しんじょせいのルポルタージュより
新女性のルポルタージュより

冒頭文

集った原稿をよんで、生活のルポルタージュというものは案外むずかしいものであることを深く感じました。 ごく主観的に自分の気持というものを自分の気持の内からだけ書いた感想のようなものが多いことも、現代の社会での若い婦人の生活について考えさせます。そういう文章は、なるほどこの人はこんな心持でいるということだけは分らせるけれど、ルポルタージュとして今日の社会に生きる一人の女性とその周囲とのいきさ

文字遣い

新字新仮名

初出

「女子文苑」1940(昭和15)年5月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十一巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年1月20日