ふひつようなせいじつろん しまきしへのこたえ
不必要な誠実論 島木氏への答

冒頭文

『文芸春秋』四月号にのった文芸時評に対するあなたの御感想を拝見しました。別な作者の小説「希望館」についての感想を敷衍(ふえん)しつつ、嘗て或る時期に、実際運動をしていた人々が文学の仕事に移って来て今日示している或る種の文学活動に向って感じられたいろいろの疑を私はその時評の中に述べた。それについてあなたの御感想が書かれているわけです。 あなたが、一人の作家の主観として、自身が決してその時評に云

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1937(昭和12)年6月9日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十一巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年1月20日