ちょうにんげんエックスごう
超人間X号

冒頭文

大雷雲(だいらいうん) ねずみ色の雲が、ついに動きだした。 すごいうなり声をあげて、つめたい風が、吹きつけてきた。 ぐんぐんひろがる雲。 万年雪をいただいた連山の峰をめがけて、どどどッとおしよせてくる。 ぴかり。 黒雲の中、雷光(らいこう)が走る。青い竜がのたうちまわっているようだ。 雷雲はのびて、今や、最高峰の三角岳(さんかくだけ

文字遣い

新字新仮名

初出

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

底本

  • 海野十三全集 第12巻 超人間X号
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年8月15日