がいこつかん
骸骨館

冒頭文

廃工場(はいこうじよう)の町 少年たちは、遊び方に困っていたし、また遊ぶ場所もなかった。 家と道のほかは、どこも青々とした家庭菜園(かていさいえん)であった。道さえも、その両側がかなり幅(はば)をとって菜園になっており、その道を子供が歩くときでも、両側からお化(ば)けのように葉をたれている玉蜀黍(とうもろこし)や高粱(こうりゃん)をかきわけて行かねばならなかった。 そうい

文字遣い

新字新仮名

初出

「こども朝日」朝日新聞社、1946(昭和21)年10月1日号

底本

  • 海野十三全集 第12巻 超人間X号
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年8月15日