『つち』について ながつかたかしちょ『つち』じょ
『土』に就て 長塚節著『土』序

冒頭文

「土」が「東京朝日」に連載されたのは一昨年の事である。そうして其責任者は余であった。所が不幸にも余は「土」の完結を見ないうちに病気に罹(かか)って、新聞を手にする自由を失ったぎり、又「土」の作者を思い出す機会を有(も)たなかった。 当初五六十回の予定であった「土」は、同時に意外の長篇として発達していた。途中で話の緒口(いとぐち)を忘れた余は、再びそれを取り上げて、矢鱈(やたら)な区切から改め

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚版 夏目漱石全集 10
  • 筑摩書房
  • 1972(昭和47)年1月10日