じゅもくとそのは 34 じしんにっき |
| 樹木とその葉 34 地震日記 |
冒頭文
伊豆半島西海岸、古宇(こう)村、宿屋大谷屋の二階のことである。九月一日、正午。 その日の晝食はいつもより少し早かつた。數日前支那旅行の歸りがけにわざ〳〵其處まで訪ねて來て呉れた地崎喜太郎君が上海からの土産物の極上ウヰスキイを二三杯食前に飮んだのがきいて、まだ膳も下げぬ室内に仰臥してうと〳〵と眠りかけてゐた。 其處へぐら〳〵ツと來たのであつた。 生來の地震嫌ひではあるが、何しろ半分眠つて
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 若山牧水全集 第七巻
- 雄鷄社
- 1958(昭和33)年11月30日