じゅもくとそのは 33 うみべはちがつ
樹木とその葉 33 海辺八月

冒頭文

昨年の八月いつぱいを伊豆西海岸、古宇(こう)といふ小さな漁村で過しました。これはその思ひ出話。 八月いつぱい、子供を主として何處かの海岸で暮したい、さういふ相談を妻としてから七月の初め私はその場所選定のため伊豆の西海岸へ出懸けました。西海岸と云つてもさう不便な場所では困るので、この沼津から靜浦灣を挾んで、殆んど正面に見えて居る西浦海岸を探す事になつたのです。幸ひそちらには我等の歌の社中の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 若山牧水全集 第七卷
  • 雄鷄社
  • 1958(昭和33)年11月30日