じゅもくとそのは 13 つり
樹木とその葉 13 釣

冒頭文

ソレ、君と通つて此處なら屹度(きつと)釣れると云つたあの淀み富士からと天城(あまぎ)からとの二つの川の出合つた大きな淀みにたうとう出かけて行つて釣つて見ましたかなり重い錘(おもり)でしたが沈むのによほどかゝる四尋からの深さがありましたとろりとした水面にすれ〳〵に釣竿が影を落すそれだけで私の心は大滿足でした山の根はいゝが惜しいことに釣つてゐる上に道があるなるたけ身體を小松の蔭にかくしてゐるのだが竿だ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 若山牧水全集 第七卷
  • 雄鷄社
  • 1958(昭和33)年11月30日