じゅもくとそのは 12 なつのよろこび
樹木とその葉 12 夏のよろこび

冒頭文

底深い群青色(ぐんじやういろ)の、表ほのかに燻(いぶ)りて弓形に張り渡したる眞晝の空、其處には力の滿ち極まつた靜寂(しじま)の光輝(かがやき)があり、悲哀(かなしみ)がある。 朝燒雲、空のはたてに低く細くたなびきて、かすけき色に染まりたる、野に出でて見よ、滴る露の中に瓜の花と蜂の群とが無數に喜び躍つてゐる。 向日葵(ひまはり)の花、磨き立てた銅盥(かなだらひ)の輝きを持つて、に

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 若山牧水全集 第七卷
  • 雄鷄社
  • 1958(昭和33)年11月30日