だんそうがん
断層顔

冒頭文

事件依頼人 昭和五十二年の冬十二月十二日は、雪と共に夜が明けた。 老探偵帆村荘六(ほむらそうろく)は、いつものように地上室の寝床の上に目をさました。 美人の人造人間のカユミ助手が定刻を告げて起こしに来たからである。 「——そして先生。今日は人工肺臓をおとりかえになる日でございます。もうその用意がとなりの部屋に出来ています」 カユミは、そういって、本日の特別の了

文字遣い

新字新仮名

初出

「探偵よみもの」1947(昭和22)年10月号

底本

  • 海野十三全集 第13巻 少年探偵長
  • 三一書房
  • 1992(平成4)年2月29日