くい

冒頭文

ある地方(ちはう)の郡立病院(ぐんりつびやうゐん)に、長年(ながねん)看護婦長(かんごふちやう)をつとめて居(を)るもとめは、今日(けふ)一日(にち)の時間(じかん)からはなたれると、急(きふ)に心(こゝろ)も體(からだ)も弛(たる)んでしまつたやうな氣持(きも)ちで、暮(く)れて行(ゆ)く廊下(らうか)を靜(しづ)かに歩(ある)いてゐた。 『おや、降(ふ)つてるのかしら。』 彼女(か

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 淑女画報 大正四年九月号
  • 博文館
  • 1915(大正4)年9月