さといものめとふどうのめ |
| 里芋の芽と不動の目 |
冒頭文
東京化学製造所は盛(さかん)に新聞で攻撃せられながら、兎(と)に角(かく)一廉(ひとかど)の大工場になった。 攻撃は職工の賃銀問題である。賃銀は上げて遣(や)れば好い。しかしどこまでも上げて遣るというわけには行かない。そんならその度合はどうして極(き)まるか。職工の生活の需要であろうか。生活の需要なんぞというものも、高まろうとしている傾(かたむき)はいつまでも止まることはあるまい。そんなら工場
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 森鴎外全集2
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1995(平成7)年7月24日