しなじんのぶんじゃくとほしゅ
支那人の文弱と保守

冒頭文

緒論 個人に就いて觀察しても、一人一人にその個性がある樣に、國民なり民族なりにも、それぞれ特有の氣質性癖をもつて居る。それを國民性又は民族性と申すのである。一つの國民なり民族なりの間には、隨分種々なる人間があつて、何等統一する所がない樣であるが、他の國民や民族と比較すると、自然に國民毎に、民族毎に、各自の特質をもつて居る。 支那人にも無論その民族性がある。支那人の尤も顯著なる民族性

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 桑原隲藏全集 第一巻 東洋史説苑
  • 岩波書店
  • 1968(昭和43)年2月13日