じゅもくとそのは 30 するがわんいったいのふうこう
樹木とその葉 30 駿河湾一帯の風光

冒頭文

駿河灣(するがわん)一帶の風光といふとどうしても富士山がその焦點になる。久能山より仰ぐ富士、三保の松原龍華寺(りゆうげじ)の富士、薩埵峠(さつたたうげ)の富士、田子の浦の富士、千本松原の富士、牛臥から靜浦江の浦にかけての富士など説明を付けるのがいやになる位ゐもう一般的に聞えた名勝となつてゐる。名物にうまいものなしの反對で、以上とり〴〵にみな見られる景色であるだけに却つて筆の執りにくいおもひもするの

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 若山牧水全集 第七卷
  • 雄鷄社
  • 1958(昭和33)年11月30日