そびょう
素描

冒頭文

おれは朝から寝巻の KIMONO のまヽで絵具いぢりを続けて居た。午飯も外へ食ひに出ないでホテルの料理を部屋へ運ばせて済ませた。まづい物を描いて EXTATIQUE な気分になれるおれの愚鈍さと子供らしさとを自分ながら可笑しく思はないで居られないが、またこの子供らしさが久しく沈んで灰色化(グリゼエイエ)して居るおれの LA VIE の上に近づいた一陽来復の兆(シイニユ)のやうにも思はれる。実際、一

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 反響
  • 反響社
  • 1915(大正4)年1月号