むいかかん にっき
六日間 (日記)

冒頭文

三月七日 机の前に坐ると藍色の机掛(つくゑかけ)の上に一面に髪の毛の這つて居るのが日影でまざまざと見えた。私はあさましくなつて、何時(いつ)の間にか私の髪がこんなに抜け零(こぼ)れて、さうして払つてもどうしても動かずに、魂のあるやうにかうして居るのかとじつと見て居た。さうすると落ち毛が皆一寸五分位の長さばかりであるのに気がついた。また昨日(きのふ)の朝八峰(みね)の人形の毛が抜けたと云つ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 文章世界
  • 博文館
  • 1912(明治45)年4月号