はなもり
花守

冒頭文

我が夜雨の詩を讀みたるは、七八年前某雜誌に載せられたる『神も佛も』といふ一長篇を以て初めとなす、當時彼の年齒猶少、その詩想、亦今より見れば穉簡を免れざる如しと雖も、我は未だ曾てかくばかり文字によりて哀苦を愬へられたることあらず、我が彼と交を訂したるは、爾後兩三年の間にあり、彼生れて羸弱、脊髓に不治の病を獲て、人生の所謂幸福、快樂なるもの、幾んど彼が身邊より遠ざかる、彼に慈母ありて愛撫※[#「にんべ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 明治文學全集 59 河井醉茗・横瀬夜雨・伊良子清白・三木露風集
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年9月30日