じゅうにしこう 09 いぬにかんするでんせつ
十二支考 09 犬に関する伝説

冒頭文

1 南洋ニュウブリツン土人の説に、犬はもと直立して歩み甚だ速やかに走って多くの人を殺した。そこで生き残った人間が相談して、麪包(パン)果を極めて熱しその種子を犬の通路に撒(ま)いた。犬これを踏んで足を焼き、倒れて手をも焦し、それより立って歩む事叶(かな)わず。その種子今も、犬の足の裏に球となって残りあるという(一九一〇年版、ジョージ・ブラウンの『メラネシアンスおよびポリネシアンス』二四四頁)。

文字遣い

新字新仮名

初出

1「太陽 二八ノ二」博文館、1922(大正11)年2月<br>2「太陽 二八ノ三」博文館、1922(大正11)年3月<br>3「太陽 二八ノ四」博文館、1922(大正11)年4月<br>4「太陽 二八ノ一四」博文館、1922(大正11)年12月

底本

  • 十二支考(下)〔全2冊〕
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1994(平成6)年1月17日