だれ |
| 誰 |
冒頭文
イエス其(そ)の弟子(でし)たちとピリポ・カイザリヤの村々に出(い)でゆき、途(みち)にて弟子たちに問ひて言ひたまふ「人々は我(われ)を誰と言ふか」答へて言ふ「バプテスマのヨハネ、或人(あるひと)はエリヤ、或人は預言者の一人」また問ひ給(たま)ふ「なんぢらは我を誰と言ふか」ペテロ答へて言ふ「なんぢはキリスト、神の子なり」(マルコ八章二七) たいへん危いところである。イエスは其の苦悩の果に、自己
文字遣い
新字新仮名
初出
「知性」1941(昭和16)年12月
底本
- 太宰治全集4
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1988(昭和63)年12月1日