えいがざっかん(に)
映画雑感(Ⅱ)

冒頭文

制服の処女 評判の映画「制服の処女」を一見した。最初に、どこかの柱廊(コロンネード)前に並んだ、ものはなんだかわからないが、何かしら勇ましくたくましい男性的彫像などが現われ、それから男性的なラッパの音に導かれて兵隊の行列が現われる。それだけがこの映画における男性の登場者のすべてである。この、対照のために插入(そうにゅう)されたかと思われる兵隊の行列が女学生の行列に切り換えられてからは、もうず

文字遣い

新字新仮名

初出

「帝国大学新聞」1933(昭和8)年3月

底本

  • 寺田寅彦随筆集 第四巻
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1948(昭和23)年5月15日、1963(昭和38)年5月16日第20刷改版