ろやくたんぺんしゅうのじょ
露訳短篇集の序

冒頭文

わたしの作品がロシア語に飜譯されると云ふことは勿論甚だ愉快です。近代の外國文藝中、ロシア文藝ほど日本の作家に、——と云ふよりも寧ろ日本の讀書階級に影響を與へたものはありません。日本の古典を知らない青年さへトルストイやドストエフスキイやトゥルゲネフやチェホフの作品は知つてゐるのです。我々日本人がロシアに親しいことはこれだけでも明らかになることでせう。のみならずわたし自身の考へによれば、ロシアが生んだ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 芥川龍之介全集 第九巻
  • 岩波書店
  • 1978(昭和53)4月20日