しるこ
しるこ

冒頭文

久保田万太郎君(くぼたまんたらうくん)の「しるこ」のことを書(か)いてゐるのを見(み)、僕(ぼく)も亦(また)「しるこ」のことを書(か)いて見(み)たい欲望(よくぼう)を感(かん)じた。震災(しんさい)以來(いらい)の東京(とうきやう)は梅園(うめぞの)や松村(まつむら)以外(いぐわい)には「しるこ」屋(や)らしい「しるこ」屋(や)は跡(あと)を絶(た)つてしまつた。その代(かは)りにどこもカツフ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「スヰート 第二巻第三号」明治製菓株式会社、1927(昭和2)年6月15日

底本

  • 芥川龍之介全集 第九巻
  • 岩波書店
  • 1978(昭和53)年4月20日