こいぶみ
恋文

冒頭文

某日某所で、『ものは附』の遊びをやつた。『長いものは』といふのが題だつたのだが、『他人の恋文』といふ答へが出ると、判定で意見が分れた。他人の恋文と来れば誰だつて面白がつて読むことだから、これはちつとも長くないといふ説と、他人の恋文などとはくそ面白くもない。だからハガキ一枚にしろ長いぢやないかといふ説とだつた。どつちも本当なので、中々結着がつかず、『長いものは他人の恋文についての談議』といふことでは

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻36 恋文
  • 作品社
  • 1994(平成6)年2月25日