しゅうせんこう
鞦韆考

冒頭文

鞦韆は漢字で綴ればこそむつかしくなるが、遊戯としては極めて簡單で、何人でもたやすく思ひつきさうな種類のものである。されば其源流を究めるなどは嗚呼の沙汰に近いかも知れない。然るに無造作な此技が、想像さるゝよりも少數の發明者しか持たなかつたと見えて、東洋に於ても西洋に在りても、國から國へと移り行つた跡が歴然と認められる。加之、時代によりての變遷もある。因りて今偶然の機會から動かされた貧弱な骨董心の赴く

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「藝文 第十三年第一號」内外出版印刷、1921(大正10)年1月発行

底本

  • 日本中世史の研究
  • 同文館
  • 1929(昭和4)年11月20日