うつくしいいぬ
美しい犬

冒頭文

遠いところから北風が吹きつけている。ひどい吹雪だ。湖はもうすっかり薄氷をはって、誰も舟に乘っているものがない。 ペットは湖畔に出て、さっきからほえたてていた。ペットはモオリスさんの捨犬で、いつも、モオリスさんの別莊のポーチで暮らしている。野尻湖畔のモオリスさんの別莊へ來た時は、ペットはまだ色つやのいい、たくましいからだつきをしていた。 モオリスさんは、戰爭最中に、アメリカへ一家

文字遣い

旧字新仮名

初出

底本

  • 童話集 狐物語
  • 國立書院
  • 1947(昭和22)年10月25日