クララ
クララ

冒頭文

むつは、何か村中が湧きかえるような事件を起してやりたくて寢ても覺めても色々なことを考えていました。窓に頬杖をついて山吹のしだれた枝を見ていると、山吹の長い枝がふわふわ風にゆれています。じっと見ているとだんだん面白くなって來ました。風は神樣に違いないと思い始めました。にんじゅつをつかって姿を見せないで、山吹の葉の下で鼠のようにチロチロ遊んでいるのだろうと思いました。むつは前よりも、もっと熱心に視つめ

文字遣い

旧字新仮名

初出

底本

  • 童話集 狐物語
  • 國立書院
  • 1947(昭和22)年10月25日