きたむらとうこくししゅう
北村透谷詩集

冒頭文

夢中の夢 嗚呼かく弱き人ごゝろ、 嗚呼かく強き戀の情、 朝靄の歌 もらすなよあだうつくしの花、 消ゆる汝共に散るものを、 うつくしとても幾日經ぬべき、 盛りと見しははやすたり 春駒   第一 門出 北風に窓閉されて朝夕の  伴(とも)となるもの書(ふみ)と爐火(ゐろり)、 軒下の垂氷(つらゝ)と共に心(むね)凍(こほ)り  眺め

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 透谷全集 第一卷
  • 岩波書店
  • 1950(昭和25)年7月15日