りょうじょうのあし
梁上の足

冒頭文

晝間、街から持つて來た昂奮が、夜中私を睡らせなかつた。 おまけに、腦天を紛碎しさうな鋲締機の足踏みが、間斷なく私の妄想の伴奏をした。 私が、骨組み許りのビルヂングの作業場の前を通りかゝると、其處には今しがた何か異變でもあつたと見えて、夥しい人間が集まつて急しく動作してゐた。多分檢屍官でゞもあろう白い服を被た役人と巡査とを乘せたオートバイが、その前に止まると、今迄梁の上に上つてゐ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 解放10月号
  • 解放社
  • 1926(大正15)年10月1日