びんづめじごく
瓶詰地獄

冒頭文

拝呈 時下益々御清栄、奉奉慶賀候(けいがたてまつりそうろう)。陳者(のぶれば)、予(かね)てより御通達の、潮流研究用と覚(おぼ)しき、赤封蝋(ふうろう)附きの麦酒(ビール)瓶、拾得次第届告(とどけつげ)仕る様、島民一般に申渡置候処(もうしわたしおきそうろうところ)、此程、本島南岸に、別小包の如き、樹脂封蝋附きの麦酒(ビール)瓶が三個漂着致し居るを発見、届出申候(とどけいでもうしそうろう)。右は何(

文字遣い

新字新仮名

初出

「猟奇」1928(昭和3)年10月

底本

  • 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
  • 角川ホラー文庫、角川書店
  • 1998(平成10)年4月10日