やまをさんするぶん
山を讃する文

冒頭文

近来邦人が、いたづらなる夏期講習会、もしくは無意義なるいはゆる「湯治」「海水浴」以外に、種々なる登山の集会を計画し、これに附和するもの漸く多きを致す傾向あるは頗(すこぶ)る吾人の意を獲(え)たり、しかも邦人のやや山岳を識るといふ人も、富士、立山(たてやま)、白山(はくさん)、御嶽(おんたけ)など、三、四登りやすきを上下したるに過ぎず、その他に至りては、これを睹(み)ること、宛(さなが)ら外国の山岳

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 山岳紀行文集 日本アルプス
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1992(平成4)年7月16日