せんせいのめだまに
先生の眼玉に

冒頭文

子供が大ぜい遊んでいるところに雪がふって来ました。 「ヤアイヤアイ 雪がふって来た 雪降れ ウント降れ 塩になれ 砂糖になれ」 とみんながよろこびました。 「砂糖になったらどうするか」 と大きな声がきこえましたので、ビックリしてその方を見ますと、白い鬚(ひげ)を生やして、白い着物を着て、白い帽子を冠って、長いすきとおった氷柱(つらら)のような杖を持ったお爺さんが立ってお

文字遣い

新字新仮名

初出

「九州日報」1924(大正13)年2月

底本

  • 夢野久作全集1
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1992(平成4)年5月22日