つがる
津軽

冒頭文

津軽の雪 こな雪 つぶ雪 わた雪 みづ雪 かた雪 ざらめ雪 こほり雪  (東奥年鑑より) 序編 或るとしの春、私は、生れてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ三週間ほどかかつて一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件の一つであつた。私は津軽に生れ、さうして二十年間、津軽に

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 太宰治全集第六巻
  • 筑摩書房
  • 1990(平成2)年4月27日