すずめこ |
| 雀こ |
冒頭文
長え長え昔噺(むがしこ)、知らへがな。山の中に橡(とち)の木いっぽんあったずおん。そのてっぺんさ、からす一羽来てとまったずおん。からすあ、があて啼(な)けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。………………………… ひとかたまりの童児(わらわ)、広(ふろ)い野はらに火
文字遣い
新字新仮名
初出
「作品」1935(昭和10)年7月号
底本
- 太宰治全集1
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1988(昭和63)年8月30日