しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺

冒頭文

凡例 一、わたくしのさいかく、とでも振仮名を附(つ)けたい気持で、新釈諸国噺(しょこくばなし)という題にしたのであるが、これは西鶴(さいかく)の現代訳というようなものでは決してない。古典の現代訳なんて、およそ、意味の無いものである。作家の為(な)すべき業(わざ)ではない。三年ほど前に、私は聊斎志異(りょうさいしい)の中の一つの物語を骨子(こっし)として、大いに私の勝手な空想を按配(あんばい)し、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • お伽草紙
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1972(昭和47)年3月21日、1991(平成3)年2月20日40刷改版